【インタビュー記事】\新卒3年目/泣きながら出勤した日もあった。それでも介護を続けられた理由

介護の仕事を目指す中で、不安や迷いを感じることは決して珍しいことではありません。
「体力的にきつそう」
「緊急時はどうしたらいいのだろう」
「自分にできるだろうか…」
今回は、新卒で入社し3年目を迎えた福祉学部出身のかたやまさん(アルファリビング広島観音本町)に、就職活動から現在までの経験や、その時々の正直な気持ちを話してもらいました。
介護を選んだのは、「身近にあったから」
かたやまさんが福祉の道を志したきっかけは、特別な出来事ではなく、幼い頃から身近にあった環境でした。
「母が介護職で、自宅の隣に祖母が住んでいたので、小さい頃から介護は身近な存在でした。高校卒業後は大学の福祉学部に進み、社会福祉士の資格取得を目指して、福祉全体を幅広く学びました。児童、障害、母子父子家庭など福祉にはさまざまな分野がありますが、その中でも一番興味を持って勉強できたのが高齢者福祉の分野でした」
曾祖母をはじめ、認知症の方と接する機会が幼い頃からあり、「知りたいことがまだたくさんある」という感覚が、学ぶモチベーションになったそうです。
就職活動では、高齢者福祉一本に絞り、週に2〜3件の会社説明会に参加。数ある選択肢の中からあなぶきメディカルケアを選んだ決め手は、説明会の雰囲気と、“1対1のケアを大切にしている“という経営理念でした。
「大勢の方を対応するより、一人ひとりとしっかり向き合う介護が自分には合っていると感じました」と話してくれました。

入社前の不安と、入社後のリアル
学生時代に初任者研修を受けていたかたやまさんですが、入社前に実際の仕事内容はなかなかイメージできなかったといいます。
「知識がある分、余計に不安でした。『とりあえずやってみよう!』という度胸タイプではなくて(笑)。でも、不安ながらもひとまず挑戦してみようという気持ちで入社しました」
入社後にいちばん大変だったのは、“とにかく覚えることの多さ”でした。アルファリビング広島観音本町には55名のご入居者がおられます。名前・顔・部屋の場所はもちろん、入浴時のお湯の温度へのこだわり、それぞれの病歴や体調管理の方法まで、一人ひとり異なる情報を頭に入れていく必要がありました。
一方で、心配していたけれど意外とスムーズだったこともあります。
「入居者様と上手くコミュニケーションをとれるか心配していたんですが、祖父母と一緒に育ってきた経験のおかげか、自然と接することができました。介護技術も、先輩が何度も一緒に練習してくれて、実際に車椅子に乗って体験させてもらったりして、徐々に不安がなくなっていきました」
スタッフ同士の人間関係についても、「お局さんがいるのかな?と内心ドキドキしていたんですが(笑)、怖い人は誰もいなくて、みんな本当に優しかった」とのこと。施設長も気さくで話しやすく、20〜30代のスタッフも多いので、休日にカラオケや食事に行くなど、和気あいあいとした職場環境だそうです。



スタッフに支えられながら乗り越えた壁
入社して数か月経ったころのエピソードです。
「日勤帯の仕事が一通りできるようになったころ、自分が一人で介護サービスを提供したご入居者が、そのサービス後に体の不調を起こしてしまって。原因は持病からくるものだったんですけど、『自分のせいかも』と思い込んでしまいました」
その日の仕事終わりに、すぐ先輩やサービス提供責任者に相談したところ、「『こういうこともあるって勉強になったね』『それ以上は考えなくていいよ』と声をかけてもらったそうです。
でも、気持ちはなかなか切り替えられませんでした。
「周りから見たら全然そんなことないって言ってもらっても、自分の中では全部自分が悪いってくらい追いつめていましたね。1か月は引きずりました。施設へむかう出勤中、泣いてしまっていた時期もありました」
そんなかたやまさんを、支えてくれたのはスタッフでした。施設長も「最近元気ないけど、何かあった?」「今日どうだった?」と折に触れて声をかけてくれ、他のスタッフも気にかけくれました。そうした日々の積み重ねの中で、徐々にメンタルが安定していったそうです。
「気にかけてもらえているってわかるだけで、心が支えられました」

先輩からもらった、忘れられない言葉
介護サービスの同行中に先輩から言われて今でも心に残っている言葉があると話してくれました。
「『10人いたら10人介護のやり方が違っていい』って言ってもらいました。いろんな先輩と同行する中で、いいところだけ真似して、自分のやり方を見つけていけばいいよって。体格も体の使い方も一人ひとり違うから、型にはまるものじゃないって言ってくれて、すごく気持ちが楽になりました」
自分のやり方を認めてもらえる環境が、成長の後押しになっています。今では、業務の流れを先読みして動けるようになり、新しく入ってきたスタッフへの同行指導も任されるようになってきました。

一番のやりがいは、ご入居者の「ありがとう」
仕事をしていて一番うれしかった瞬間を尋ねてみました。
「入社してすぐのころ各居室へ挨拶回りをした時のことを、あるご入居者が覚えていてくれて、『すごく立派になったね』って言ってもらえたんです。ちゃんと見てもらえてるんだって思って、本当に嬉しかった。いろんな人に『こんな風にほめてくださいました』」って話して回りました(笑)」
また、夜勤中の巡回で転倒されているご入居者を発見し対応した時の経験も、忘れられない出来事の一つだそうです。
翌朝、その方から「夜、来てくれて本当にありがとう」と何度も感謝の言葉をいただいたそうです。
「こんな自分でも役に立てたんだという実感がありましたし、自分の対応は間違っていなかったんだという自信にもつながりました」
その経験をとおして、介護の仕事のやりがいを強く感じたそうです



就活中のみなさんへ
最後に、就職活動中の方へメッセージをもらいました。
「ぶれない軸を自分の中で決めて、それに沿って進めば、自然と道が見えてくると思います。私は『寄り添える介護をしたい』という軸を持って就活をしました。」
介護の仕事は、決して簡単ではありません。しかし、かたやまさんの経験から伝わってくるのは、不安や失敗を乗り越える中で得た自信と、ご入居者お一人おひとりと向き合うことで生まれる仕事への誇りです。
「自分にできるだろうか」と悩みながら一歩踏み出そうとしている就活生のみなさん。その不安も、成長するための大切な一歩になるのかもしれません。





